38:名無しNIPPER[sage]
2016/07/14(木) 21:58:27.32 ID:9Y3+pWvQo
P(彼女のいない事務所は当然ではあるのだが、最初からそうであったかのように動いていた)
P(俺は彼女の事を考えずに済むように仕事に没頭し、時折杏に仕事入れすぎだと愚痴られた)
P(しかしどれだけ仕事に没頭していても、ふとした拍子に彼女のことが蘇る)
P(仕事中に膝の上に乗りたいと言ったり、おいしそうにイチゴを食べたり、
ハーモニカの練習をしたり、サンタに手紙を書いたり、風鈴の音に耳を澄ませたり)
P(それでも出来る限りすぐに気を取りなおして、あの日を待ち続けた)
P(今やネットでもニュースは見れる。死亡事故なら検索すればひっかかるだろうし、場合によっては
と直接訪ねて、彼女の存在を確認すればいい。もしも生きていたらその時スカウトしてもいい)
P(そんなことを考えていたある日、俺は別の事務所に所属する知り合いのプロデューサーに出会う)
「お、ちょうどいいや。お前にまだ紹介してなかったな」
P(手招きしてやってきたアイドルを見て、俺は驚愕した)
「佐城雪美って言うんだ。一緒に仕事することがあったらよろしくな。ほら、挨拶」
雪美「……よろしく……」
「ちょっと寡黙な子でな。でも可愛いだろ?」
P(そんなこと言われなくても知っている。俺はこの子のために今までずっと……)
雪美「……」
P(感情とは裏腹に俺は彼女と無難な挨拶を交わし、その場を離れることが出来た)
P(俺を見る彼女の顔は懐かしくもあり、初めて見るものでもあった)
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