23: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:21:35.89 ID:z6mFNZbg0
そのときの私は副隊長がそっと後ろに引いていることにも気づかなかった。
私がどんどん彼女に近寄っていったからだ。
24: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:24:07.13 ID:z6mFNZbg0
「……ああ……そ、そうですか!」
「うん。こんなのじゃ参考にならないかもしれないけど……」
25: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:25:35.60 ID:z6mFNZbg0
「いやぁっ!いやあああああああああああ!」
誰かの声がすぐ近くで響いた。
26: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:26:30.53 ID:z6mFNZbg0
獣の咆哮が聞こえた。
怪物が今まさに私たちを食らおうと喉を鳴らしている。
27: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:28:02.37 ID:z6mFNZbg0
「助けて!」
叫び声がうるさい。
28: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:29:17.91 ID:z6mFNZbg0
目も耳も息さえもふさがれた。
私は誰かを掴もうともがいた。
29: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:31:21.07 ID:z6mFNZbg0
ここはもう怪物の胃の中だ。
このまま私は消えていく。
30: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:33:44.10 ID:z6mFNZbg0
私と母の戦車の音だった。
その音はいつも軽快で、母の微笑みを届けてくれた。
31: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:35:32.02 ID:z6mFNZbg0
「う〜ん、そうねぇ。難しいけど、きっと小梅にも分かるときがくるわよ。大きくなったらね」
「わかんない!ず〜っとわかんない!」
32: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:36:57.07 ID:z6mFNZbg0
「ねぇ、そのお墓の人の名前はなんて書いてあった?」
「わかんない。漢字だから読めなかった。お母さん知ってるの?」
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