43: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:03:31.80 ID:N7BH6Wdqo
雨の音にかき消されそうな声で、私は千歌ちゃんに訊いてみた。
梨子 「私の心は、どんな形をしてた?」
千歌 「お月さまみたいな、まるくてきれいな形をしてた」
44: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:04:42.32 ID:N7BH6Wdqo
梨子 「そんなはずはない。
私の心は、あなたの瞳みたいに輝いてはいない」
千歌 「へー、私の瞳、光って見える?
自分だとよく分からないけど……」
45: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:05:18.20 ID:N7BH6Wdqo
その日の夜、私は自分の部屋の灯りを消して、考えごとをした。
月明かりに照らされた水槽の中で、クラゲの光が揺らめいている。
梨子 「ねえ、ジェリーちゃん」
46: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:06:00.38 ID:N7BH6Wdqo
梨子 「ねえ、ジェリーちゃん」
梨子 「どうしたの、梨子ちゃん」
梨子 「……ごめんね、今まで閉じこめてしまって」
47: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:07:52.29 ID:N7BH6Wdqo
梨子 「ちゃんと、みんなと友達になれるかな?」
梨子 「大丈夫だよ。
その証拠に、私をあなたの最初の友達にしてほしいな」
48: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:08:35.78 ID:N7BH6Wdqo
私のその言葉を聞くと、ジェリーちゃんの傘が、嬉しそうにフワリと膨らんだ。
梨子 「ありがとう。
それじゃあ私、もういちど、竜宮城でピアノの練習してみる」
49: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:09:47.79 ID:N7BH6Wdqo
次の日は土曜日で、学校は休みだ。
そこで私は、内浦で出来た初めての人間の友達である千歌ちゃんと曜ちゃんを近所の砂浜に呼んだ。
千歌 「梨子ちゃん、今日はどうしたの?」
50: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:10:50.30 ID:N7BH6Wdqo
そのあと、千歌ちゃんと曜ちゃんが私の家に遊びに来てくれることになった。
千歌 「何して遊ぶ?」
梨子 「あら、遊んでるヒマなんかないでしょ。
51: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:13:18.73 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「ようこそ、われらがスクールアイドル、ええと……」
曜 「そういえば、グループ名をまだ決めてなかったね」
梨子 「浦の星☆クラゲ・シスターズっていうのはどうかな」
52: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:14:05.67 ID:N7BH6Wdqo
千歌 「ねえ、曜ちゃん」
曜 「何かな、千歌ちゃん」
千歌 「梨子ちゃんの鳴らすピアノの音、とってもきれいだね」
53: ◆hxGgtPv0f.[sage]
2016/07/22(金) 19:14:56.26 ID:N7BH6Wdqo
※おわりです。
読んでくれた方、ありがとうございました。
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