過去ログ - THE IDOLM@STER OVER WORLD
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26:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 17:05:21.34 ID:G7thJZfF0

美希の目には再び光が灯っていた。
それは一時の気の迷いだったのかもしれないし、ストックホルム症候群と似た何かだったのかもしれない。
だが、それは幼い美希の感情を動かすには十分すぎる材料だった。


「お願い、このまま美希のこと拐っていってほしいの」


美希が兵士の腕をぎゅっと掴んで呟く。
兵士が美希の腕を押さえつける必要も、もはやなくなっていた。


「だ、そうだNo.9。残りの始末は我々がやる。お前は先に学園都市に星井美希を届けろ」
「了解しました」


No.9と呼ばれた兵士は、仮面から生成した翼を鳥のように羽ばたかせると、美希をかかえて春香達の頭上を通過した。


「待って、美希!正気に戻って!」
「正気?美希だって、いつも正気だよ」


去り際に美希が発した言葉は、春香に対する返答ではなく、プロデューサーへの言葉であったのだろう。
だが、彼は倒れ込み血を流したままであり、 美希の声も、懸命に止血をしている千早の泣き声も、届くことはなかった。



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