33:名無しNIPPER[saga]
2016/07/23(土) 23:28:32.72 ID:G7thJZfF0
嘲笑う春香に、仮面の集団が顔を向ける。
「隊長が消えた今、貴様らの処分は我等が行う」
「そう」
春香のあまりに冷静な反応に、隊員達は強い違和感を覚えた。
自らが殺されようとしているというのに、まるで無関心なようだったからというのもあるが、それ以前にまるで『人が変わった』かのようだったからだ。
「ところで、処分なんてどうやってするの?貴方達、『目が見えないじゃない』」
「何を……!?」
そう、彼等は全員『失明している』春香の姿が見えることもないし、その網膜が光を捉えることは二度とないのだ。
「どうなっている!仮面の故障か!?」
「わからん!全員無事か!各自応答せよ!」
仮面の集団が別々の方向を向きながら叫ぶ奇妙な光景に、春香は思わず笑いをこぼす。
「それにしてもよく、互いの声が聞こえるわね。『こんな騒がしいコンサートホールで』」
その瞬間、彼らの声は大きな歓声にかき消された。
360度から響く熱狂的なコールに錯乱し、隊員の一人が羽を振り回す。
「黙れ!黙れぇ!貴様等どこから現れた!」
振り回された羽に、盲目の隊員達はなす術もなく次々と切断されていく。
10秒後、立っているのは錯乱した隊員ただ1人となった。
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