80:名無しNIPPER
2016/07/24(日) 18:49:42.92 ID:+whENkLl0
タイはバンコク、気温は35度を上回り、遮るものを無くした日光が燦々と降り注いでいた。
湿度も80%を軽く越え、90%に届こうとしており、その不快感は日本の梅雨よりも勝っていた。
「暑い……」
呟いた彼女は、くすんだ薄桃色のTシャツとダメージジーンズを身にまとっている。
誰も彼女を見て、水瀬財閥の令嬢、水瀬伊織だとは毛ほども思わないであろう。
「それにしても、酷い場所ね」
伊織の足元には無数のゴミが広がり、側溝からは異臭が漂っている。
見渡しても建物らしい建物は見当たらず、バラックが所狭しと立ち並んでいた。
「これは骨が折れるわね」
彼女のいる場所はバンコクでも有数のスラム街。
イタリアンマフィア、コーサ・ノストラが主に支配している地域だ。
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