過去ログ - 高森藍子「誰かを笑顔にできるなら」
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36: ◆6X9N3xfEM.[sage saga]
2016/07/24(日) 18:16:05.40 ID:wiTHyHYmO
紅茶のカップを手に持ったまま彼女はしばらく考え込んでいるようだった。

少しだけ口を付けたカップをソーサーにそっと戻すと、彼女はこちらを見てゆっくりと口を開いた。

「私、考えてみたんです。なんの個性も取り柄もない私がアイドルになったとして、何ができるのかなあって」

「歌やダンスで満足していただくこともできないでしょうし、私なんかがファンの方に本当に喜んでいただけるのかなあって」

「でもプロデューサーさんがこの前おっしゃってくれた言葉、嘘だとは思えなかったんです」

「それで今日は写真をお渡しして、お忙しくなければもう一度詳しくお話を聞いてみようって思ったんです」

ゆっくりとだが確実に一言一言を大切にするように言の葉を紡いでいく。

「それであの、入り口の女性の方にお伺いして、奥の机を見たらプロデューサーさんがいらっしゃったんです」

「難しいお仕事をされているようでとっても険しい表情をされていました」

「やっぱりお邪魔だったのかな、このまま写真だけ渡して帰ろうかとも思いました」

「それで、躊躇していたときに…プロデューサーさんがこちらを向いて私を見た瞬間に…表情が和らいで微笑んでくださったんです」

「その笑顔を見たら…こんな私でも誰かを笑顔にすることが出来るんだって思って、とっても幸せな気持ちになったんです」

「私がアイドルになっても…そんなに大勢のファンは出来ないかもしれません。でも私が頑張ることで一人でも多くの人が笑顔になってくれたらなあってそう思うんです」

「だから、私…今はまだ自信はありませんけど、アイドル目指してみようと思います」


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