13: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:09:05.03 ID:Jp+bK6hio
「出よう」
「そうね」
ノンナに促されて店を出ると夜の空気が肌に冷たかった。
14: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:10:30.20 ID:Jp+bK6hio
全国大会は特に予選などもなく参加できる。
参加している学校が少ないのだ。
「なんとか試合メンバーに入れてよかったわ」
15: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:16:22.96 ID:Jp+bK6hio
大会は目立った番狂わせもなく進み、
プラウダ、サンダース、グロリアーナ、そして黒森峰が四強に残った。
私は試合が進む中でも戦術の勉強をし、ノンナも実践の中で砲撃技術に磨きをかけていった。
準決勝の相手は黒森峰、件の天才西住まほは一年生ながら私たちと同様選手として登録されている。
16: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:17:45.71 ID:Jp+bK6hio
「隊長、意見を言っても」
「なした?」
「捨て石を使います。本隊は離脱し布陣して、継続的に囮を出し誘導、
17: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:18:56.26 ID:Jp+bK6hio
私の予想通りプラウダ高校は敗北した。
頭のなかにはノンナの
「隊長さんは手を抜いているような感じがしてあまり好きじゃない」
18: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:20:16.66 ID:Jp+bK6hio
三年生はそのまま引退した。
私は最後に隊長さんから呼びだされた。
なんだろうと思ったら引き継ぎだと幾つかの資料を渡される。
「かっちゃん、あん時は悪がったな。おめの話ば聞がねくて。
19: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:22:20.49 ID:Jp+bK6hio
「んだばってさ。それでも黒森峰さは勝でねえのよ。
勝づために苦しい練習ばりして、それでも勝でねえんだば、何のために苦しむんだが、わがんねっきゃ。
だったら最初っから勝づごどを目的にせず、楽しむごどを目的にするほうが良いんでねえがな、
って、おらは隊長になる時考えだんだよな」
20: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:23:33.83 ID:Jp+bK6hio
「黒森峰さ勝づごどがら逃げで楽しさという綺麗事ば喋ってだおらは、
結局悔しさからは逃げられねがった」
それが隊長さんの辿り着いた答だったのだと思う。
さて、と前置きして隊長さんは振り返った。
21: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:24:27.96 ID:Jp+bK6hio
隊長さんの最後のお願いは私にとっても望むところだったのだけれど、
今のぬるま湯につかった連中、
特に現二年生にそのままきつい練習をさせても要らぬ反発を生むだけだと考えた。
「ノンナ、私はプラウダを勝てるチームにしたい。
22: ◆naranciafLZ1[saga]
2016/07/25(月) 01:25:42.44 ID:Jp+bK6hio
隊長に就任して間もなく、私はみんなの前で演説を行った。
演説というのは歴代の隊長が行ってきた伝統である。
ただし私がした演説の内容は、伝統に則したものではなかったと思う。
「いい? 私のことはこれから偉大なるカチューシャ様と呼びなさい」
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