過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:51:24.05 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「シンボルとかってさ、来た人がすぐ見れる方がいいんじゃない? こう、電車から降りた時にさ、わー! 兎の形だ! ってすぐ分かるようにしたら面白いと思うんだけどなぁ」
「ナナ的にはウサミン星でいっぱい遊んで、その後で見てほしいんですよねぇ。ウサミン星の歴史って感じで! 最初はこう、とにかくスゴイって方がよくありません?」
「菜々ちゃんが言うならそうなのかなぁ……。あ、じゃあさ、最初にウサミン星人がいっぱいお出迎えしてくれるっていうのは?」
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:51:54.81 ID:s0xS1vQx0
「え? え?」

それはウサミン星のシンボル「ウサギ石」を見て、踵を返した時だった。
夜色一色だった空が塗り替えられていく。雲1つない水色が塗りたくられ、何が起きたのかと口を開けていたら今度は夕焼け色に染まっていく。
気がついたらまた水色になって、目を白黒としている間に身体の感覚が1つ増えた。何事かと目だけを後ろ足からお尻の方へと向ける。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:52:24.18 ID:s0xS1vQx0
「あ、あれ?」

目を拭うと今度は月が4つに増え虹が消えていた。ウサミン星人たちが月に向かって両手を広げて騒いでいる――そこまで見たところで視界がぐるりと回って、雪が降りだして、雨が降りだして、花が降りだした。
月の欠片がぽつりぽつりと降り注ぎ、藍子のポケットに大小自由のウサミミがいくつもしまわれた。

以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:52:54.98 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「ストーップ! あのねぇ加蓮ちゃん! 設定は盛るものじゃないんです。ゲームとかマンガじゃないんですから!」
「……ち、ちょっとやりすぎちゃった?」
「いつの間にかノート3ページがぎっしり埋まってますよ!? ナナのウサミン星を魔境にしないでください!」
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:53:24.08 ID:s0xS1vQx0
クリスタルフラワーをじーっと眺めているウサミン星人(子ども)がいた。
好きなの? とかがんで話しかけてみたら、大好きっ、と答えてくれた。
黄金色の月があるだけで、クリスタルフラワーは永遠に咲き続けることができる。ずっと綺麗なままだね、よかったね、と藍子が笑いかけると、うんっ、とウサミン星人(子ども)も笑って返してくれた。



26:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:53:54.15 ID:s0xS1vQx0
「うーん……」

実はさっきからどうしても気になる物がある。散歩に戻ろうとしても、何度も何度も"それ"が頭の片隅を掠める。

「ウサミンさん。いますか?」
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:54:54.13 ID:s0xS1vQx0
「……え?」
『さあ、そこは君のステージ! 歌ってごらん♪ みんな聞いてくれますよ! キャハッ☆』
「…………」

ウサミン星人(案内役)の言葉が頭へと直接響く。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:55:24.23 ID:s0xS1vQx0
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪♪」
『『『『ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪』』』』
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
『『『『ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪』』』』
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:55:54.03 ID:s0xS1vQx0
びしっ、と右手を掲げた藍子へ無数の拍手が贈られた。口笛と歓声も飛び交う。
遠くの方で花火が上がった。どれも星型の七色だった。
ぽん、ぽん、という音に乗せられて、藍子はまた歌い出す。ウサミン星人達も続いてくれて、そしてまた合唱が始まる。

「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:56:24.09 ID:s0xS1vQx0
星中から大拍手が聞こえる。びび、びびびび、と頭の中を電波――電気――メッセージが駆け巡り、星の裏側にいるウサミン星人を始めありとあらゆる彼女達の笑顔が脳裏に次々と浮かんでは消えていく。

「……やった♪」

みんな、笑顔だった。
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:56:53.99 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「……菜々ちゃん? あの、腕、痛いんだけど」
「加蓮ちゃん。ウサミン星バージョンの『メルヘンデビュー』にそのフレーズはいりません」
「いやでもラブリーじゅうなな」
以下略



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