過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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40:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:01:54.34 ID:s0xS1vQx0
――数分後――

「ナナはじゅうなな……ナナはじゅうなな……ナナはにじゅうななじゃなくてじゅうなな…………」
「まーまー。ほら、菜々ちゃん、そろそろ復活しなって。ね?」
「ななはなな、ななはなな、ななはなな……」
以下略



41:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:02:24.37 ID:s0xS1vQx0
「ただいま戻りました、菜々さん、加蓮ちゃん」
「お帰り藍子。あっ、ジュースありがと♪」
「どうぞ。はいっ、菜々さんも!」
「ななはなな、ななはなな、らぶりーじゅうななさい……」

以下略



42:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:02:54.37 ID:s0xS1vQx0
「菜々さんっ」
「ななはななはななはなな……なんですかあいこちゃん。ななはなななんです、なななんですよね……?」
「な、菜々さんは菜々さんですっ。さっきはごめんなさい! ちょっと寝ぼけちゃってて……でもっ! お母さんっていうのは、私にとって菜々さんはそれくらい頼りになる人だってことなんですっ」
「……………………」
「だからその……決してお母さんくらいのって意味じゃないんです。菜々さんはいつも、私にウサミン星のこととか大人のこととかいっぱい教えてくれて、アイドル活動の時も優しくしてくれて……だから、私にとって菜々さんは、お母さんのように優しい人で、だからつい言っちゃったんです!」
以下略



43:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:03:24.37 ID:s0xS1vQx0
「そうですっ。今日だって菜々さん、寝ちゃった私をずっと膝に載せてくれて……そうだっ。私、そのお陰でとっても幸せな夢を見られたんですよ! もうよく覚えていませんけれど……これも菜々さんのお陰なんです!」
「そうですかそうですか! キャハッ☆ 藍子ちゃんに、いえ、お嬢様に心地よい時間を与えられたなら、ナナ、大感激ですよ!」
「菜々さんはメイドさんの中のメイドさんですっ」
「や、やだなぁ照れちゃいますよぉ! そんなこと言ってくれるの藍子ちゃんだけですからねぇ!」

以下略



44:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:03:54.36 ID:s0xS1vQx0
「ぷはーっ!!」
「ふふ、そんなに喉が乾いていたんですか?」
「そうなんですよお! それがですね、実はナナと加蓮ちゃん、ずーっと秘密のミーティングをやってまして。喋りっぱなしだからもー喉が疲れちゃって」
「ひ、秘密って感じがぜんぜんしなくなっちゃってます……。そうなんですか? 加蓮ちゃん」
「え? あー……うん。ちょっとね」
以下略



45:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:04:24.40 ID:s0xS1vQx0
「加蓮ちゃんと菜々さんだけで秘密のお話なんてずるいですっ。私も起こしてくださいよ〜」
「いやぁ、藍子ちゃんぐっすり眠っちゃってましたからねぇ。あんな寝顔を起こすなんてナナにはとてもとても」
「私もー。ちょっとだけ気になったけど、あんなに気持ちよさそうなのは……さすがに何も言えないって」
「そ、そんなに私、ぐっすり眠っちゃってたんですか?」
「キャハッ☆ ナナ、歳の離れた……妹! い・も・う・と! ができた気持ちでしたよ!」
以下略



46:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:05:24.44 ID:s0xS1vQx0
「…………!」

パッと聞いただけでは意味の分からない、あるいは苦笑いしてしまうような言葉。
でも。
――脳裏に凄まじい速度で景色が流れていく。
以下略



47:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:05:54.37 ID:s0xS1vQx0
「…………」

藍子はノートの中身を知っている。見ていないけれど、知っている。そしてようやく辻褄が合った。あの夢の中で時おり感じた、自分の思考が外側から引っ張られる感覚。今まで知らなかったことがいつの間にか自分の中で常識と化したり、浮かんだ言葉が柔らかい物へと変わっていたり。
あれはきっと、その都度"設定"が書き換えられたり付け加えられたりしたのだと。

以下略



48:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:06:24.52 ID:s0xS1vQx0
「…………あのっ」

悩んだ末、藍子は――とうとう取っつかみ合いを始めた2人に割り込むようにして、不安を吹き飛ばすように大きな声で。

「菜々さんと加蓮ちゃんのお話、私に聞かせてくださいっ!!」
以下略



49:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:06:54.45 ID:s0xS1vQx0
教えてもらうことは楽しい。
教えてくれる2人を見るのは、もっと楽しい。
知っている内容でも、菜々や加蓮の口から聞きたい。

これからまた、楽しい時間が始まる――まだ始まってもいないのに、藍子はついクスッとしてしまったのだった。


50:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:07:24.40 ID:s0xS1vQx0



……。

以下略



51:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:07:54.44 ID:s0xS1vQx0
「あ、そうだ。私、ちょっとだけお腹が空いちゃったから……何か食べる物、用意してきますね」

きっと長いお話になる。準備は入念に。

「それならナナも! 冷蔵庫にシュークリームありますからお願いしますー!」
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:08:24.43 ID:s0xS1vQx0
お目当てのお菓子を見つけるまで少しかかって、ふと、思い出す。
ウサミン星で使えた魔法。あの時に食べたキラキラは美味しかった。夢の中とは思えないほどに。
あの時はどうやって出したっけ? こう、手をぎゅっと握って、願って――

「ん〜〜〜〜〜、えい!」
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:08:54.86 ID:s0xS1vQx0
藍子が起き上がったのを見て、なんとか落とさずに済んだシュークリームを持ってくれた。

「加蓮ちゃんも待ってますからね。ほらほら、行きましょ♪」
「は……はいっ。びっくりしたぁ……」
「ナナとしては普通に声をかけただけですけどねぇ。藍子ちゃんをびっくりさせちゃったらめんぼくない。……そういえばさっき、藍子ちゃん何かしてませんでした? こう、手をぎゅっと――」
以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:09:24.50 ID:s0xS1vQx0


「――ナナ達からの誕生日プレゼントはどうでしたか? また1年後の今日にご招待しちゃいますね、お嬢様♪」




55:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:09:54.80 ID:s0xS1vQx0
そんな、どこかで聞いた言葉を。

「え…………!?」
「おっと加蓮ちゃん? 何してるのかーって藍子ちゃんを呼んできたところですよ? いや、待ちきれないって言ったの加蓮ちゃんの方でしょーが。ほらほら、藍子ちゃんも来ましたから準備しましょ! まずはどこから行きます? やっぱり銀河鉄道編――」

以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:10:24.49 ID:s0xS1vQx0
『次の記念日にまたお逢いしましょう! その時には、わたしから招待しちゃいますね!』

「藍子ちゃーん? ……どしました? ナナの顔に何かついてます? いやー、ナナ、ちょっとエネルギーを使いすぎちゃったんですよねぇ。早く戻ってシュークリームを……ハッ! ナナ、見せられる顔になってますよね!? ……なってますよね!? いや確かに今日はオフだからちょおっと気を抜いちゃったというか最低限で済ませたというかいやそれはですね朝起きた時に目覚まし時計が――」

夢の世界? それとも。
以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:10:54.53 ID:s0xS1vQx0
「菜々……さん?」
「はは、ハイッ! なんでしょう藍子ちゃん!」
「ウサミン星って――」
「ウサミン星ですか? ふっふっふー、実は、今からやるのはウサミン星の、」
「設定」
以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:11:24.79 ID:s0xS1vQx0


おしまい。
読んでいただき、ありがとうございました。

以下略



59:名無しNIPPER[sage]
2016/07/25(月) 22:05:29.74 ID:6DdcQ8Ei0


藍子ちゃんお誕生日おめでとう!ウサミンはラブリーじゅうななさい!


60:名無しNIPPER[sage]
2016/07/27(水) 01:06:52.01 ID:FI8nKXqco

こういうメルヘンな雰囲気の作品すき


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