過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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24:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:52:54.98 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「ストーップ! あのねぇ加蓮ちゃん! 設定は盛るものじゃないんです。ゲームとかマンガじゃないんですから!」
「……ち、ちょっとやりすぎちゃった?」
「いつの間にかノート3ページがぎっしり埋まってますよ!? ナナのウサミン星を魔境にしないでください!」
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:53:24.08 ID:s0xS1vQx0
クリスタルフラワーをじーっと眺めているウサミン星人(子ども)がいた。
好きなの? とかがんで話しかけてみたら、大好きっ、と答えてくれた。
黄金色の月があるだけで、クリスタルフラワーは永遠に咲き続けることができる。ずっと綺麗なままだね、よかったね、と藍子が笑いかけると、うんっ、とウサミン星人(子ども)も笑って返してくれた。



26:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:53:54.15 ID:s0xS1vQx0
「うーん……」

実はさっきからどうしても気になる物がある。散歩に戻ろうとしても、何度も何度も"それ"が頭の片隅を掠める。

「ウサミンさん。いますか?」
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:54:54.13 ID:s0xS1vQx0
「……え?」
『さあ、そこは君のステージ! 歌ってごらん♪ みんな聞いてくれますよ! キャハッ☆』
「…………」

ウサミン星人(案内役)の言葉が頭へと直接響く。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:55:24.23 ID:s0xS1vQx0
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪♪」
『『『『ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪』』』』
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
『『『『ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪』』』』
「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:55:54.03 ID:s0xS1vQx0
びしっ、と右手を掲げた藍子へ無数の拍手が贈られた。口笛と歓声も飛び交う。
遠くの方で花火が上がった。どれも星型の七色だった。
ぽん、ぽん、という音に乗せられて、藍子はまた歌い出す。ウサミン星人達も続いてくれて、そしてまた合唱が始まる。

「ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミンっ♪」
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:56:24.09 ID:s0xS1vQx0
星中から大拍手が聞こえる。びび、びびびび、と頭の中を電波――電気――メッセージが駆け巡り、星の裏側にいるウサミン星人を始めありとあらゆる彼女達の笑顔が脳裏に次々と浮かんでは消えていく。

「……やった♪」

みんな、笑顔だった。
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:56:53.99 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「……菜々ちゃん? あの、腕、痛いんだけど」
「加蓮ちゃん。ウサミン星バージョンの『メルヘンデビュー』にそのフレーズはいりません」
「いやでもラブリーじゅうなな」
以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:57:24.25 ID:s0xS1vQx0
……そろそろ、帰る時間。

気がついたら藍子は銀河鉄道の前にいた。あれほど聞こえていたウサミン星人たちのはしゃぎ声も、もう聞こえない。

『お帰りですか? お嬢様っ』
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:57:54.27 ID:s0xS1vQx0
『ウサミン星発、地球行きの銀河鉄道です! お帰りもお楽しみくださいねっ』

窓の外の景色が動き出した。ウサミン星はもうどこにもなくて、色鮮やかな星々が現れては消えていく。
座席に横座り気味になりながら、ぼうっと外を眺める。
朧げに映る鏡像がとても懐かしい。
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:58:24.30 ID:s0xS1vQx0
「ウサミンさん」
『なんですか?』
「私、またウサミン星に行くことができますか?」
『もっちろん! お嬢様ならいつでもお待ちしていますよ! あ、でも――』
「でも?」
以下略



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