過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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31:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:56:53.99 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「……菜々ちゃん? あの、腕、痛いんだけど」
「加蓮ちゃん。ウサミン星バージョンの『メルヘンデビュー』にそのフレーズはいりません」
「いやでもラブリーじゅうなな」
以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:57:24.25 ID:s0xS1vQx0
……そろそろ、帰る時間。

気がついたら藍子は銀河鉄道の前にいた。あれほど聞こえていたウサミン星人たちのはしゃぎ声も、もう聞こえない。

『お帰りですか? お嬢様っ』
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:57:54.27 ID:s0xS1vQx0
『ウサミン星発、地球行きの銀河鉄道です! お帰りもお楽しみくださいねっ』

窓の外の景色が動き出した。ウサミン星はもうどこにもなくて、色鮮やかな星々が現れては消えていく。
座席に横座り気味になりながら、ぼうっと外を眺める。
朧げに映る鏡像がとても懐かしい。
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:58:24.30 ID:s0xS1vQx0
「ウサミンさん」
『なんですか?』
「私、またウサミン星に行くことができますか?」
『もっちろん! お嬢様ならいつでもお待ちしていますよ! あ、でも――』
「でも?」
以下略



35:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:58:54.20 ID:s0xS1vQx0
突如、藍子の意識が浮き上がった。
それまでぼやけていながらも知覚できていたウサミン星人(案内役)の姿も、ふかふかの座席も、ハート型のつり革も、ぜんぶ、光の中に溶けていって――

『次の記念日にまたお逢いしましょう! その時には、わたしから招待しちゃいますね!』

以下略



36:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:59:24.35 ID:s0xS1vQx0
――事務所――

「うーん。なーんか丸く収まりすぎっちゃった感があるんですよねぇ。もっとこう、インパクトがほしいような……」
「菜々ちゃんの発想が大胆すぎるのかもね。私はほら……私より菜々ちゃんの方が夢いっぱいって感じがするし」
「ですかねぇ。でもでも、加蓮ちゃんのお話はすっごく参考になりました! ウサミン星を代表してお礼を言っちゃいますよ! キャハッ☆」
以下略



37:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:00:24.38 ID:s0xS1vQx0
「ん…………」
「うーん、また寝ちゃいましたねぇ。どうしましょうか」
「無理に起こすこともないでしょ。起きるまで待ったら?」

ほっぺたに、あたたかさ。
以下略



38:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:00:54.36 ID:s0xS1vQx0
よくお昼寝をしていた。身体をすっぽりと包み込む毛布に潜り込んで、夢心地。
起きた時に母親が側にいてくれた。頭を撫でてくれて、時には膝の上に載せてくれて。
それがとってもあたたかくて、ぎゅっ、と抱きつくのが好きだった。

「んん……」
以下略



39:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:01:24.30 ID:s0xS1vQx0
「「ぶーっ!?!?」」

2人分の噴出に一瞬で思考回路が起動した。目が痛くなるほど見開いて右を見て左を見て起き上がってみれば、アヒル顔のまま真っ白になっているウサミン星人(少なくとも藍子の母親よりは若かった筈)と、お腹を抱えて地面をバンバンと叩きまくる病弱少女(昨日までは同い年)がそこにいた。

「あははははっはははあはっははあははははっはははは!!! おか、おかあさ、おかあさ……おかあさ…………!! 似合う、似合うから余計笑えあはあはっははははははは…………!!!!」
以下略



40:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 20:01:54.34 ID:s0xS1vQx0
――数分後――

「ナナはじゅうなな……ナナはじゅうなな……ナナはにじゅうななじゃなくてじゅうなな…………」
「まーまー。ほら、菜々ちゃん、そろそろ復活しなって。ね?」
「ななはなな、ななはなな、ななはなな……」
以下略



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