47: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:37:26.13 ID:ctIpbkEp0
ははっと乾いた笑いを飛ばして、俺は宮本さんに向き直る。
「とりあえず、今日はお疲れ様。宮本さんは知らないだろうけど、今回の握手会はプロダクションのなかでも比類を見ない快挙なんだ。ほんと、いい対応だったよ」
「えへへー、よかったぁ。プロデューサーもいてくれたから安心してできたんだよねー!」
なんでもなさそうに言う宮本さん。後輩は躊躇うみたいに口を開いた。
「わ、わたしはなにも……」
「えーっ! プロデューサー、適当なアタシにずっと向き合ってくれたじゃーん! それに始まる前も責任とるから好きにしていいって言ってくれたじゃん! 気にせずできたし、ちゃんと感謝してるんだよ?」
「でも、わたしはずっとフレデリカに厳しくして……」
「まあまあ後輩さん、物は考えようだよ。今だって奔放な宮本さんだけど、後輩が方向性を正してやらなかったら、もっと無軌道だったんじゃないのかな」
「そうね。私たちはなにも知らないから、教えてもらえないと不安になるわ」
速水さんは感慨深げに頷いた。たぶん、誰にでも経験のあることなのだ。
「そうそう。たぶん今回上手くいったのは宮本さん自身の力も大きいけど、お前の力も大きいと思うぜ? 奔放さや適当さは彼女の魅力ではあるけれど、度を越せば欠点にしかならないんだ。メリハリもあるし上手く線引きできてるよ」
もちろん、宮本さんをわがままや自己中心的と言うつもりはない。むしろわきまえて空気を読んでいると思う。
それでも、無知によって起こるミスはある。そういうものを未然に防げていると考えれば、後輩のプロデュースは宮本さんのためになっているはずだ。
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