48: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/02(火) 05:40:26.39 ID:ctIpbkEp0
宮本さんは後輩の手を握って微笑んだ。
「うんうん! こんなアタシに諦めず付き合ってくれただけでも嬉しいし、知らなかったことたくさん知れて楽しいよ! これからもプロデューサーとアイドルしたいなぁ、ダメ?」
「フレデリカ……ううん、駄目じゃない。これからもよろしくね」
「一緒に楽しくて甘いトップアイドルをめざそー! 必殺! コンベルサシオン!」
「フレちゃんはなにを倒すつもりなのよ……」
笑い声は重なる。宮本さんに相応しい、楽しい空間だった。
ひとしきり笑ったあと、速水さんは少しだけ真面目な表情になった。
「ねえフレちゃん、ひとついい?」
「いいよー、どうしたの?」
「フレちゃんにとってアイドルってなに?」
うーん。宮本さんは考える仕草を見せる。一瞬で諦めた様子だった。
「わかんないっ! 楽しければいいんじゃないかな」
「え?」
「だって楽しくなかったら続かないし、誰も楽しませられないもん。それにアタシは今新しいことするのが楽しいんだぁ」
「まあ、まだ難しい質問なのかもしれません。ただ、ある意味フレデリカらしい答えだとも思います。ファンを楽しませるのもアイドルの仕事ですから。
もちろん、答えをひとつに絞る必要はありません。複数の要素があってしかるべきでしょう。それに、あとから増えていってもいいんじゃないですか?」
後輩は漠然とした答に解釈を与える。たしかに、現在と未来で同じ理由やイメージを持ち続けるのは難しいのかもしれない。
速水さんはやっぱり難しそうな顔をしていた。
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