59: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/03(水) 17:14:00.99 ID:/HKIoMMy0
千川さんに連れられて、近場の中華屋に入る。
ここはメニューが豊富かつ安価で量が多い。サラリーマンの味方だ。
とりあえずビールといくつかの料理を注文。すぐに運ばれてきたグラスをそれぞれ持ち、かちゃんと打ち鳴らした。
先輩は一息にグラス半分を呷る。
「今日もビールが旨い」
「相変わらず先輩は豪快な飲みっぷりですね」
「この人はゴリラみたいなものですから。こうなったら駄目ですよ?」
「はは、なろうと思ってなれるものでもありませんから」
むうと不満げな先輩。ただ、千川さんの手前、大っぴらに文句を言えないようだった。
「それで、プロデュースは大丈夫なんですか? あなた、素質はあると思いますが、正直向いてるとは思えないんですよね」
「そうですか? 私は向いてると思いますけどね。こいつは人を見る目もあるし気も回る。それに話を聞く限り速水とも上手くやってるみたいですよ」
俺が答えるより早く先輩が反論する。思ったよりも評価がよくて気恥ずかしい。
千川さんは首を横に振った。
「それは素質とか才能の話でしょ? 素質や才能の有無と、向き不向きの問題は別ですよ」
「そうだとしても、向いてると思うんですけどねぇ。お前自身はどう思う?」
ふたりの視線が集まる。見定めるような視線は居心地が悪かった。
◇
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