過去ログ - モバP「速水奏の輝かせ方」
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91: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/13(土) 09:02:09.96 ID:djqbcaKg0
「いえ、俺にもわかりませんけど……」

「でも価値はありますよね。たぶん、専門家から見ればすごいんでしょう」

「有名なものは敢えて崩して描いてるそうですからね。なにかしらの意味があるんですかね」

「さあ。では、喩え話をしましょう。名前を伏せて、ピカソの絵画を安い額に入れてなんでもないように飾ったとします。もうひとつ、美大生の描いた絵画を高級な額に入れてよさそうに飾ります。

 おそらく素人は美大生の絵画に群がりますよね。結局、そんなものなのですよ私たちは」

「喩え価値があっても、その価値を知らない人には見てもらえないと」

「ええ、人気アイドルはその価値を周知されているのです。安い額でも見てもらえます。しかし、奏ちゃんの価値はあなたしか知りません。その価値をわかりやすくする。これもプロデューサーの仕事ですよ?」

 納得のいく話だった。理解していたつもりなのに、いつの間にか俺は目を曇らせていたらしい。

「わかりました。もう少し考えてみます」

「もう時間はありませんが頑張ってください。ぎりぎりまで待ちますから」

 千川さんは朗らかに微笑んだ。アイドルが絡むと彼女は優しくなるのだ。その優しさを分けて欲しい。

 なににしても。

 俺は、もう少し線引きをする必要がありそうだった。


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