1: ◆.CzKQna1OU[saga]
2016/08/05(金) 16:29:52.59 ID:vDpLvGt20
男(……1914年)
男(サライェヴォの銃声に始まったこの大戦争を、俺達はクリスマスまでに終わるだろうと信じていた)
男(華々しい戦場で、かっこよく武勲を立てて、故郷に凱旋して)
男(クリスマスにはロンドンの家族と豪華なディナーを食べて、静かな夜を過ごす)
男(クリスマスまでには帰って来る)
男(そう言って、実家を出た)
男(ところが現実はどうだ)
男(塹壕で泥に塗れ、300ヤードの無人地帯の先に陣取るドイツ人が何をしているのかをこそこそと見張り)
男(いざ突撃すれば敵の機関銃にバタバタと殺される)
男(虫を殺すみたいにあっさりと、家畜の屠殺みたいに惨たらしく)
男(敵陣の前に辿り着いても、鉄条網を切る間にまた機関銃に殺される)
男(俺達が戦争の前に想像した華々しい戦場は、いつの間にか消え失せていた)
男(一体誰だ、こんなクソッタレ戦争を始めたのは)
男(一体誰だ、これがクリスマスまでに終わるなんて言ったのは)
男(いつの間にやら今夜は……)
男「……クリスマスか」
英国軍曹「おい、交代だ。歩哨に立て」
男「はい」
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