8: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/08/06(土) 18:08:12.21 ID:BU27iTTVO
「よし、今日はここまでだ。しっかり水分を摂って身体をほぐしておくように」
…しんどい。
隣では奈緒と凛が座り込んでいる。
え、私?恥じらいも何もかも捨てて床に寝転んでるよ?
「あー…辛い。もう動きたくないな」
水筒を何とか動かずに取ろうと、奈緒が腕を全力で伸ばしながらぼやく。
「でもしっかり力はついてきてると思うよ。最初の頃は怒られてばっかりだったし終わった後喋る元気もなかったし」
そう笑って、凛はペットボトルを傾ける。
そしてそんなユニットメンバーの会話を聞きながら。
私は…
「…ふふっ、あはははっ!」
大笑いしていた。
二人が不気味そうにこっちを見てくるけど、そんなの関係無い。
楽しい!楽しい!楽しい!!
踊れたんだ、私が!
まるでアイドルみたいに!
いや、本当にアイドルなんだ!
とっても嬉しかった。
病室のベッドで寝ていただけの私が、こんなに楽しく踊れるなんて。
夢だけれど。
ついでにほんとにしんどいけど。
「ふぅ…じゃ、先に戻ってるから」
一通り笑ったところで、未だに変な目で見つめてくる二人を置いて更衣室へ向かう。
巨大な事務所の道に迷う事なく、次にすべき事を思い出す。
汗を拭いて、着替えて。
そして、私達の部署へ戻る。
だって、その扉を開ければ…
「お。お疲れ様、加蓮」
「お疲れ様でーす。ふう…今日も疲れた…」
笑顔で、プロデューサーが迎えてくれるから。
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