過去ログ - 海辺の町と赤く染められた国
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147: ◆sfGsB21laoBG[sage]
2016/08/09(火) 20:14:04.71 ID:kqsr3JY+0
彼等全員がモーレイに向かって走って行く。
モーレイはそんな中、一人立って敵達を見据えていた。
五百人の男達が┣¨┣¨┣¨┣¨!と言う地響きに似た音とウオオオオオと言う咆哮を立てて剣を構えながら凄い勢いで走り寄り砂煙がもうもうと立ち込めた…その時だった。

モーレイはやっと剣を抜くと、その一瞬で眼前に迫った敵を一閃した…!
一気に四つの何かが宙を舞う…それが人間の首だと言う事を理解するのにエヴァンは幾ばくかの時間を要した。

そのままモーレイは敵の真ん中に円を描く様に凄い速さで動いて行く…。
彼が動く場所に色んな物体が巻き上がり、同時にどす黒い液体も巻き上がっていった。
それは首や腕等の身体の一部、そして血液…!
エヴァンはその姿を見つめる。

…冷静にそれを見れば…正に阿鼻叫喚の図、そのものだった。
身体の一部を失い叫びながら逃げ惑う者…また、首を刎ねられ一瞬で死に行く者…。
そして何とも言えない血の匂いが辺り一面に広がり、そこに赤黒い血と人間の身体が宙に舞っている…。
正に地獄そのものの図であるが…エヴァンはそれをただジッと見つめていた。

彼には…その殺戮が…ある種のショーに見えたのだ。
現実感が無く、モーレイの素早い動きがまるでダンスを踊っている様だ…
飛び散る血飛沫と身体の一部は彼の演舞に必要な小道具…
そして、死に行く者達の断末魔の叫びは彼への歓声…そう思えたのだった。




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