過去ログ - 海辺の町と赤く染められた国
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182:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:15:03.64 ID:VLnMOMfy0
「あんまり心配し過ぎるなって…」

砂浜に向かう途中で信一がそう言う。

「…いや、でもさ」
「お前今までそんなに心配して無かったじゃねーか。どうした今日は」

信一の言葉に僕は何も言えなかった…。

…奈緒は水恐怖症とまでは行かないが、それに近い状態だった。
水に入れないのだ。正確に言うと腰から上を水につける事が出来ない。

一度学校のプールで浸かった時に顔面蒼白となり気を失ってしまったのだ。
勿論…これは生まれた時からではない。小学生の頃は僕より泳ぎが上手かった。
原因はあの津村秀樹が亡くなった事件だった。
海で溺れた事がトラウマになったのか、彼女の父親が海で亡くなった事がトラウマになったのかは定かではない。
しかし奈緒は強かった。
いつも「別に泳げなくても困んないし」と明るく言い放っていたんだ。
僕もそれにはいつも乗っかっていた。だから中学の時はいつも奈緒と浅瀬で遊んでいた。あの時は自信がまだ有ったんだ。
いつでも奈緒を助ける事が出来る自信がね。
だけど…。



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