69:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:38:34.30 ID:1/zk8vPV0
「てか、何でチャリなのかが分からないっしょ!」
そう信一が笑いながら酒を飲む。
「うるせえ!ムシャ、修行の一環に決まってんだろうが!ムシャ」
70:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:39:20.33 ID:1/zk8vPV0
「そうなんだよ、ウチはカカア天下な家庭になりそうで」
「アンタと結婚する気はないから!」
その言葉に親戚の大人達が笑っていた。
71:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:40:12.95 ID:1/zk8vPV0
「こいつは、いつかそれに成れるって思って…あれ幾つの時だっけ?ずっと変身ポーズをしてたの」
「小四だ」
信一の言葉に僕は魚を突きながら答える。
72:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:40:50.69 ID:1/zk8vPV0
「自分で行きなさいよお…」
奈緒はそう言いながらも立ち上がりご飯を入れに行ってくれた。
「ああ、奈緒ちゃんは良い嫁さんになるわねえ達矢ちゃん」
73:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:42:25.47 ID:1/zk8vPV0
「毎日、毎時間やってくるし…昼休みも私の教室に来てお弁当食べて行くの…お陰で皆にからかわれまくって…ハァ…」
「学校公認の仲なんです」
「アンタは自他共に認めるストーカー!」
皆が笑っていた。
74:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:43:33.11 ID:1/zk8vPV0
「なんたって…インターハイで百メートル自由形の大会記録を作って日本一に成ったんだからなあ」
叔父さんはビールを飲みながらシミジミそう言った。
「あの…達矢ちゃんがねえ…おばちゃん感動だわ」
75:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:44:14.30 ID:1/zk8vPV0
だが…。
僕はこの写真が嫌いだった。完全に目が死んでるんだ。
何かプールで潜っていて水面に浮かんだら誰もいませんでしたって顔に見える。
僕は何も言わずに黙ってご飯を口に入れた。
76:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:44:47.42 ID:1/zk8vPV0
「おい、何を黙ってんだよ、ほら飲め!」
信一が僕にビールを差し出してきた。
「お前、高校生に酒を勧めてんじゃねーよ!…泡立てんなよあんまり」
77:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:45:39.71 ID:1/zk8vPV0
…正直、僕は目立ちたがり屋だ。
いつも自分を中心に話をして欲しい位の目立ちたがり屋だ。
だけど…この話は嫌なんだ。
もう一度写真を見る。
78:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:46:17.22 ID:1/zk8vPV0
あの日僕は最高に調子が良かった。朝起きた瞬間に感じれた。
今日なら越える事が出来るって。
絶対に50秒の壁を越えれるって思っていた。
実際に泳いでいる時も感じれた。一番速いって。
いつも失敗するスタートも上手く出来た。そして得意のターン後もいつもよりスピードが乗っていた。
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