過去ログ - 【モバマス】私「クラスメイト、一ノ瀬志希の話」
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39: ◆TZIp3n.8lc[saga]
2016/08/08(月) 21:12:12.77 ID:mFvc4esTo

 あの一瞬のためにずっと志希は布石を打っていたのだ。
 私が志希のことを呼んだ瞬間、弘美は私にボールを戻すことを警戒したのだ。その一瞬の隙に志希はシュートを決めたのだ。
 ここまでの試合でボールが回ってきたらすぐにパスしていたのも、このフェイントのためだった。
 最後にドリブルで突破しようとしたのは、タイムアップにシュートを合わせるため。
 焦っているような表情も、視線を私に向けたのも弘美を騙すミスリードだったに違いない。
 私が感極まって志希の名前を呼んだことすら彼女の手のひらの上だったのではないかと疑ってしまう。
 やっぱり志希は最高のアイドルだ。

「望ちゃん、いい匂い〜」

 私の腕の中で志希がふにゃっと脱力する。それと同時にチームメイトが私たちを囲む。悲鳴のような嬌声を上げながら、みんなが志希のことを讃えてながら抱きしめる。

「いい匂いに囲まれて幸せ〜」

 志希は整列のときどころか、球技大会の閉会式が終わるまでふにゃふにゃとトリップしたままだった。


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