14:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:38:32.79 ID:FU4uAl220
「……」
「……」
ええ、不覚でした、イカの頭の三角になっている所だけをひとまず口に入れればよかったんですけど、
15:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:39:31.16 ID:FU4uAl220
今更目を逸らすのもなぁ……というのがどうやらお互いの共通認識だったらしく、
なぜか一口がひと段落するまでずっと私はフレデリカさんのヒスイ色の瞳を見続けることになってしまいました。
彼女も私の眼をずっと見ているので、どうもくすぐったいような気がします。
16:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:40:34.49 ID:FU4uAl220
「やっぱりビールが欲しいですか、楓さんは」
「ええ、でも私はどちらかというと日本酒の方が好みですね」
この濃い醤油味のイカにはどちらが合うでしょうか? うーん、ビールも合うかもしれません。
苦味と醤油の塩辛さで引き立てられたイカの身の甘さが丁度よいかも。
17:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:41:20.03 ID:FU4uAl220
「うーん、プロデューサーはお酒買ってきてくれませんでしたからねー」
「……そうなのよねぇ」
勿論屋台としては出ているのでしょうけど、未成年の子ばかりがいるので買ってきてはくれなかったのです。
18:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:42:27.92 ID:FU4uAl220
「これ失敗すると、面倒なんだよねー、だからやってくださいっ!」
「えっ私のじゃないんですか」
「いやいや、こっちにもありますから、そうだっ、アタシが楓さんの分開けますから」
19:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:43:33.12 ID:FU4uAl220
「ラムネって何味なんですかねー? うーんラムネ味?」
「そういえば知らないかしら、きっとお菓子のラムネは後に出来たかもしれないですね」
「あー、ガリガリってするラムネですねー、あれ別にラムネっぽくないですよね」
20:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:44:12.51 ID:FU4uAl220
キュピキュピと喉を鳴らしてラムネを飲み干す。
「あ、でも、ラムネは透明でしたね」
付け足すように言う彼女は真面目なのかしら?
もうそろそろ中継でも花火が終わりに近づいてきていると言っているわ。
21:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:45:52.98 ID:FU4uAl220
「花火って終わりの頃に凄く打ちあがりますよね」
フレデリカさんが私の隣に移ってきた。
「こう、一瞬静かになって、その後からヒューッって上がるんですけど、焦らしてくる。そして一気に何連発も来るんですよねー」
22:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:46:36.02 ID:FU4uAl220
駄目だ、フレデリカさんと話すと私が突っ込み役になってしまう。
いや、いっつもボケを狙って遣ってる訳ではないんですけど、どうも頭の回転速度が私より早いらしい。
「……終わっちゃいましたね」
23:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:47:16.38 ID:FU4uAl220
「楓さんお疲れ?」
「ん? うぅん? ただなんかぼおっとしちゃって」
「わかるよーわかる」
彼女は私の隣にぴったりくっついて、身を委ねるといった表現が似合う格好にになった。
24:名無しNIPPER
2016/08/11(木) 16:47:48.18 ID:FU4uAl220
キラキラとした瞳が私を見つめる。細く柔らかそうな髪の毛が私の腕に絡む。
「うーん、じぁあ少し?」
そういうと彼女は猫の様な表情を浮かべて、本格的に私の腕を取って体重を預けてきた。
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