過去ログ - 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」
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2: ◆XkFHc6ejAk[saga ]
2016/08/11(木) 22:22:37.57 ID:Pkizwuk+0
「……オラアァアアァアァ!!」

豪快な音を立てて、小さな赤い壺が砕け散りました。

中から出てきたのは、例の男です。相変わらず不機嫌そうな顔で、ぺっと唾を吐きました。

男は盗まれた酒を取り立てに老人を追い掛けていたのですが、老人の魔道具によって逆に封印されていたのです。

「クッソが……あのジジイ……見つけたらぶん殴ってやる……」

男は辺りを見渡し、老人を追う前の最後の記憶を辿ります。

(確か、ヒュドラの雑魚は取り逃がしちまったっけな……まぁウィルオウィスプの呪いを掛けてやったから、まともに戦えねえだろうが)

「……?」

そう考え事をしているうちに、男は異変に気付きました。

(……静かすぎる。血の満月はこの前終わったよな? 今はまだ三日月の月だったはずだが……)

男は眉間にしわを寄せながら、大通りに出ます。

次の瞬間、男の目には凄まじい光景が映し出されました。

「なっ……!?」

圧倒的破壊の跡。パイプで削り取られたような跡が縦横無尽に広がり、何かが一直線に進んだ跡が残っています。

早い話、大通りは壊滅状態になっていました。

「……どいつの仕業だ?」

男は笑っていませんでした。破壊痕から、なにか異質な気を感じるのです。

「ジジイを探すか」

夜の街「イサクラ」に、不穏な空気が漂っていました。


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