過去ログ - 京太郎「鼓動する星 ヤタガラスのための狂詩曲」
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◆hSU3iHKACOC4
[sage saga]
2016/08/14(日) 02:41:59.40 ID:B82FWzEK0
五人組の少女はじろじろと染谷まこを観察していたが、すぐに逃げ出した。
ぴょんぴょん跳ねてあっという間に姿を消した。風のようだった。五人組の少女が逃げ出したのは、金髪の女性と黒髪の女性の気配がしたからである。
仕事をさぼって染谷まこに会いに来たことを知られたくなかった。
五人組の少女が姿を消した後、金髪の女性と黒髪の女性が染谷まこの案内に加わった、この時に行われたやり取りについて書いていく。
それは五人組の少女たちが冗談のような身体能力で龍門渕の敷地内を駆け抜けていった後のことである。
「とんでもない身体能力じゃなぁ」
と染谷まこが驚いている間に金髪の女性と黒髪の女性が目の前に立っていた。金髪の女性と黒髪の女性は、おそろいのジャージをきて、手には軍手をはめていた。
そうして彼女らが現れると染谷まこは驚いた。気を抜いていたらいつの間にか目の前に現れていたからである。しかしすぐに落ち着きを取り戻した。そして染谷まこはこういった。
「アンヘルさんと……ソックさんじゃったか?」
名前を呼ばれた金髪の女性と黒髪の女性は微笑みを浮かべてうなずいた。そして名前を呼ばれた金髪の女性アンヘルがこう言った。
「お久しぶりです染谷さん」
続けて黒髪のソックがこう言った。
「貴重な夏休みの最終日に呼び出してしまったこと、本当に申し訳ありません。
衣ちゃんが頭の悪いお願いをすると思うのですが、できれば怒らないであげてください」
すると染谷まこが苦笑いを浮かべた。面倒くさいことになったと思った。この時染谷まこの案内役がものすごく不機嫌になっていた。
アンヘルとソックが自分の仕事に割って入ってきたからである。しかし拒否できなかった。アンヘルとソックがハチ子よりも格上だったからである。
アンヘルとソックが加わった後染谷まこたちは天江衣の別館へ到着した、この時に染谷まこを出迎えた天江衣について書いていく。
それはアンヘルとソックが現れてから五分後のことである。染谷まこたちは天江衣の別館に到着していた。この時染谷まこはずいぶん驚いていた。
天江衣の別館がものすごく大きかったからである。龍門渕は大金持ちの財閥だとは知っていた。天江衣がいいところのお嬢さんだということも知っていた。
しかし、実際にビックリするくらい広い敷地とその中に立つ数々の建物を見てみると、スケールの違いに圧倒された。
特に天江衣の別館は妙な威圧感で満ちている。雰囲気が妙に重々しく、古い博物館のようで足を踏み入れるのがおっくうになる。
ただ、天江衣の別館の周りには家庭菜園らしきものがあり、重々しさをそいでいた。家庭菜園を誰が仕切っているのか染谷まこはすぐに推理できた。
そうして
「セレブじゃなぁ」
などと感心しているところで、天江衣が姿を現した。染谷まこのノックを待たず、自分で玄関の扉を開いていた。
堂々と玄関で構えている天江衣はポニーテールとジャージ姿であった。ジャージの袖と裾をめくり上げて、なかなかの女子力である。
足元がビーチサンダルなので桁外れの女子力とみてよかった。これに加えて健康的な日焼けである。完璧なお嬢様だった。
このパーフェクト天江衣だが、染谷まこを見つけてこう言っていた。
「ようこそ我が別館へ! さぁ! 中へ入ってくれ! さぁ! さぁ!」
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