過去ログ - 勇者「特筆すべきことはない」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:12:23.14 ID:QiE8claCo

いよいよ待ちに待ったこの日がやってきた。

20年に一度行われる「勇者試験」始まりの日。



俺のこれまでの22年間の人生は、このイベントの為にあったといっても過言ではない。


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2:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:15:38.95 ID:QiE8claCo

家を出発しようとする俺を、父母――だけではない。

祖父母、いとこ、はとこ、甥や姪、面識すらない奴らまで、一言でいえば一族総出で見送る。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:18:20.63 ID:QiE8claCo

勇者とは俺が住む王国の軍事の象徴であり、勇者になれば自動的に総大将の地位になる。
ひとたび勇者になれば、当人はもちろん、その一族にも莫大な褒賞や強力な特権が与えられる。

勇者の任期である20年の間、一族は「勇者の一族」として猛威を振るうことになる。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:23:44.59 ID:QiE8claCo

ようするに、勇者になってさえしまえば、薔薇色の人生を歩めるというわけだ。


20年に一度の試験をなるべく心身が充実した時期に受けさせるために、
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:28:13.25 ID:QiE8claCo

ちなみにこの勇者という称号、これはおよそ1000年前、王国に現れた魔王を討伐したという
若者に由来する。


以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:31:01.20 ID:QiE8claCo

この亡くなった若者が平民であったことから、勇者試験の門戸は広い。


王国の城勤めである者を除けば、どんな身分であろうと受けることができ、年齢制限もない。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:34:32.72 ID:QiE8claCo

それでも誰でも受けられ、しかも勇者になれば一族安泰となれば、
たとえ難関であろうと試験を受ける者受けさせる者が後を絶たないのはいうまでもない。


以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:37:38.84 ID:QiE8claCo

勇者試験は大きく分けて、一次試験・二次試験・最終試験の三つとなる。

東西南北中央の五地域で一次試験が行われ、その合格者が騎士団領で実施される二次試験に進むことができ、
さらにそれをクリアした者が王城での最終試験に臨めるという仕組みだ。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:40:10.73 ID:QiE8claCo

一次試験場は大昔に使われていた巨大な砦を改装したものだった。


砦内にある無数の部屋の中に、大量の受験者がぎゅうぎゅうと詰め込まれる。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:43:14.22 ID:QiE8claCo

一次試験開始。


一次試験は前半後半に分かれており、
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:46:15.43 ID:QiE8claCo

俺はよどみなくスラスラと問題を解いていく。


当たり前だ。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:49:34.36 ID:QiE8claCo

12時間経過し、一次試験前半が終了する。

解答用紙はすみやかに回収され、すみやかに採点がなされ、すみやかに後半に進める者が貼り出される。
一次試験後半に進めた者は、一万人にも満たなかった。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:53:05.51 ID:QiE8claCo

丸一日後、一次試験後半がスタートする。


今度は択一問題ではなく、記述式の問題である。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:56:59.84 ID:QiE8claCo

一次試験の後半は24時間ぶっ続けで行われる。

俺は不眠不休で解答欄を埋め続け、どうにか自信のある一つの作品に仕上げることができた。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 18:59:21.06 ID:QiE8claCo

一次試験から一週間後――

王都にある騎士団領にて二次試験が行われる。

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:03:05.48 ID:QiE8claCo

二次試験もまた、前半後半に分かれる。


前半の内容は、騎士団の精鋭30名が見守る中、指示されるがままに型を繰り出し続けること。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:06:37.58 ID:QiE8claCo

二次試験後半は魔法試験。


大賢者クラスの魔法使い5名の立ち会いのもと、指示通りに魔法を繰り出す。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:10:11.40 ID:QiE8claCo

剣と魔法の二次試験を経て、最終試験に残れたのは、わずか百人足らずであった。

正確には98人であるが――この98人の中から、勇者が決められるのだ。

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:13:52.59 ID:QiE8claCo

いくつかの試合が終わり、いよいよ俺の出番。

対戦相手は浅黒い肌をした、やや大柄な青年。年齢は俺よりも上に見える。

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:17:13.48 ID:QiE8claCo

開始直後、相手はいきなり巨大な魔法をぶっ放してきた。

なんの予兆も感じさせず、これ以上ない完璧なタイミング。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 19:20:19.94 ID:QiE8claCo

魔法による奇襲の次は、剣による猛攻。

千種類以上の剣の型をマスターし、それに独自の工夫を取り入れたであろう変幻自在の魔剣が、俺に襲いかかる。

以下略



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