過去ログ - アナスタシア「またひとつ、約束を」
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2: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/08/16(火) 16:27:36.68 ID:o5p7gtxyO
「………」
「………」
聞こえるのは、車のエンジンの音と、流れているラジオの音だけ。
私もプロデューサーも、口を開かない。
いつもは、プロデューサーがお仕事の話や世間話をしてくれるけれど、今日は違った。
静かな時間は、決して嫌いでないけれど……なんとなく、寂しい。
寂しさを紛らわすために、ラジオの声に耳を傾ける。
どうやら、プロ野球のニュースをやっているようだった。
『○○選手はこの試合でも無安打。昨年新人王を獲得した期待のホープが、伸び悩みを見せています』
『一年目が一番良かった、という結果にならないためには、もう一皮むけることが必要でしょう』
「……ウージャス」
思わず、『最悪だ』なんて口に出してしまった。プロデューサーには、聞こえていないかな。
『続いてはサッカーのニュースです』
ニュースの話題が変わったことに、ほっと一息。できればこれ以上、さっきの選手の話は聞きたくなかったから。
伸び悩み。一年目が一番良かった。
それらの言葉が……まるで、自分に向けられているような気がしたから。
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