過去ログ - 響「ウラジオストクのヴェールヌイ」第10話〜最終話
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◆hc5Hlyk12iWK
[saga]
2016/12/31(土) 01:18:55.81 ID:Pkz6ZCheo
潜水棲姫との距離が、わずか数メートルにまで縮まったとき。
目の前に突然、水柱が立った。
棲姫が、捨て鉢で魚雷を放ったのだろう。
足に鈍い痛みが走った。脚部の艤装をやられたらしい。
爆発の衝撃で、鎖も千切れてしまった。
響「……っ……あ、ぁ……!」
潜水棲姫「グ――ゥゥ――!」
けれど、爆発は棲姫をも巻き込んでいた。
当然だ。あんな至近距離で魚雷を炸裂させたのだから。
こんなことで、止まるわけにはいかない。
彼我の距離、ほぼ零。
今だ。仕留めるのは今しかない。
響「――っ――」
息を止めて、連装砲を構える。
目の前には、すっかり動きの鈍くなった潜水棲姫がいる。
ふと、砲を構えた自分の姿が、ひどく滑稽に思えてきた。
――むなしい。
私はどうして、こんなことをしてるんだろう。
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