過去ログ - 響「ウラジオストクのヴェールヌイ」第10話〜最終話
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394: ◆hc5Hlyk12iWK[saga]
2016/12/31(土) 01:18:55.81 ID:Pkz6ZCheo


   潜水棲姫との距離が、わずか数メートルにまで縮まったとき。
   目の前に突然、水柱が立った。

   棲姫が、捨て鉢で魚雷を放ったのだろう。
   足に鈍い痛みが走った。脚部の艤装をやられたらしい。

   爆発の衝撃で、鎖も千切れてしまった。


響「……っ……あ、ぁ……!」

潜水棲姫「グ――ゥゥ――!」


   けれど、爆発は棲姫をも巻き込んでいた。
   当然だ。あんな至近距離で魚雷を炸裂させたのだから。

   こんなことで、止まるわけにはいかない。
   彼我の距離、ほぼ零。
   今だ。仕留めるのは今しかない。


響「――っ――」


   息を止めて、連装砲を構える。
   目の前には、すっかり動きの鈍くなった潜水棲姫がいる。

   ふと、砲を構えた自分の姿が、ひどく滑稽に思えてきた。 

   ――むなしい。
   私はどうして、こんなことをしてるんだろう。
 


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