過去ログ - 響「ウラジオストクのヴェールヌイ」第10話〜最終話
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◆hc5Hlyk12iWK
[saga]
2016/12/31(土) 01:27:01.97 ID:Pkz6ZCheo
―ピョートル大帝湾 海中―
ゴボッ…
響「ぶ……ぐぅっ…………!」
響(……何……何が……?)
鼻と口に、水が押し寄せる。
とっさに息を止めるものの、足に鈍い痛みを感じて、口から気泡が漏れていく。
潜水棲姫「……ぐ……くく……うふふっ…………」ギリギリ
響(――!)
潜水棲姫「……ひとり、では……還らない……おまえも……おまえも……!」
泥をかぶった能面のような、この世のものとは思えない形相。
真下を見れば、仕留めたはずの潜水棲姫が、その髪で私の右足を締め上げていた。
目の前に広がるのは、ぼんやりと明るい一面の青。
私は、海の中に引きずり込まれていた。
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