過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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115:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:32:41.93 ID:D33bbYIF0
 ねえちゃんの家を知らないけど、家出をしてこの近くまで来ている、従姉妹。
 道がわからないので、高校までの道のりを教えて欲しい、と、麦わら帽子の女の子。

「……俺、さっき見たかも」

「え?」

 麦わら帽子の女の子は小学六年生、と言っていた。
 ねえちゃんが探しているのは小学校中学年くらいの女の子。

 こんな夏休み序盤から家出をするような子なんて、そうそういないだろう。

『歳、いくつ?』

 返信はすぐに来た。

『背が低い十二歳』

 十二歳。十二歳といえば、誕生日が早めの子であれば、小学六年生か。

「…………」

 ストライク。

 ねえちゃんの従姉妹、学校に送ってしまった。

『今学校にいるかも』

『なぜ……?』

 ……理由は後で説明しよう。とりあえず、迎えに行かねばならまい。
 ねえちゃんが探している、ということは、従姉妹の女の子の親から連絡があった、ということだろう。

 それに、学校から移動してしまえば、もう居場所はわからなくなる。

「イチ、学校行こう」

「夏休み初日から?」

 高校生ですから。

 スマホをポケットにしまって、早足で学校に向かう。
 イチは少し立ち止まってねえちゃんに返信を送った後、駆け足で後ろから付いてきた。



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