過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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116:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 21:36:04.74 ID:D33bbYIF0
 学校には、夏休みだというのに、思ったよりもたくさんの人がいた。

 イチに麦わら帽子の女の子の服装を簡単に教えて、校門で別れる。

 まず、グラウンドでイケメン君。

「麦わら帽子被った、水色のキャリーバッグ運んでる小学生くらいの女の子みなかった?」

「見てないよ」

 部活をしていて、校門の方には目を向けてなかったらしい。

カブトムシなら今朝見かけたけど、とイケメン君は付け加えた。
 カブトムシに好かれてるのか。

 礼を言って、そこを立ち去る。

 下駄箱で、ユウキに出会う。

「麦わら帽子で、水色のキャリーバッグ持ってる、小学生くらいの女の子みなかった?」

「ぜひ出会いたいくらいだけど、ここは小学校じゃないね」

 まあ確かに。
 高校で小学生を探すというのも変な話だ。

 なんでここにいるのかはわからないが、礼を言って、校舎の中に入る。

 廊下で、図書委員の女の子に出会う。

 あんまり話したことはないけど、一応知り合いだし、尋ねることくらいはできる。

「麦わら帽子の、水色キャリーバッグ持ってる女の子みなかった?」

「見てない……な」

 そもそも直前まで委員会があったらしい。
 お疲れ様です。

 また見かけたら連絡をする、と言ってくれたので、助かります、と他の場所へ向かう。

 またしても廊下で、今度はきいちゃんに出会う。

「夏休み初日から廊下を走り回るほど学校が好きだったのね」

 あらぬ誤解をされてしまう。

「いえ、女の子を探していて……」

「女の子?」

 きいちゃんが怪訝そうな顔をする。

「はい、麦わら帽子の、水色キャリーバッグを持って家出をしている女の子です」

「……悩みがあるならなんでも聞くからね」

 きいちゃんは肩をぽん、と叩くと、職員室へ入ってしまった。
 ……次会った時は、きちんとねえちゃんから説明をしてもらおう。


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