168:名無しNIPPER[saga]
2016/08/22(月) 20:44:51.84 ID:U4U8jo5Q0
「私の弟と妹、双子の」
「へえ、双子か」
「あと、妹も、もうひとりいるよ!」
チヨは自慢げにそう答えた。
「なんて名前?」
「ヒメ」
「知らないなぁ」
「知ってたらすごいよ……」
最近、チヨがよく喋る気がする。
いや、前から無口だったわけではないのだけれど、なんというか。
自信がついた(?)、というか。
いい傾向(俺は何様だ)。
「そいつらは例の合宿、いくの?」
「え?」
「え」
……そういえば、その発想はなかった。
なーちゃんとハルくんも合宿に。
掃除をするなら人手は多いほうがいいし、そっちのほうが賑やかになりそうだ。
せっかくならムギちゃんも呼んで。
人数は多いほど楽しい。
「……いいなそれ」
「部長に、聞いてみようかな」
「学校来てんのかな」
部長を探しに行こうとしたが、チヨが「あ、時間」と呟いて、そそくさと教室を移動した。
チヨはまだ理数科の方で課外があるらしい。優等生は大変だ。
荷物を片付けて、ユウキと教室を出る。
廊下は夏独特の透明感に包まれていた。
ユウキは用事があるというので、そのまま帰った。
一人で静かな廊下を歩く。どこからかプレクトラムアンサンブルの音色が聞こえてくる。
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