177:名無しNIPPER[saga]
2016/08/23(火) 14:28:00.94 ID:95OtfHS60
夏の雨は、なんというか、独特の匂いがある。
アスファルトというか、ほこりというか。
あんまり好き好んで嗅ぐような匂いでもないけど、嫌いではない。
ただ体に悪そうな感じはある。
窓の外を見ると、雨に打たれたひまわりが、心なしか下を向いていた。
「雨、止まないね」
そして、そんな日にも、愉快な仲間たちはうちに集まっていた。
イチがだらん、と横になる。
ムギちゃんがその横に同じような格好で寝転がる。
なーちゃんはその隣にちょこんと座っていた。
チヨはソファで眠たそうにウトウトしている。
ハルくんは部長にゲームの勝負を挑んでいた。
「なんというか」
テーブルに突っ伏している俺に、リビングを見渡しているナナコが話しかける。
「まるで溜まり場ですね」
ねえちゃんがコクン、と頷く。
「そう?」
「これが溜まり場じゃなかったら何よ」
「ええ、まさかここまでとは思ってませんでした」
テーブルの上に置いてあるバナナを一本もぎ取り、皮を剥いて口に運ぶ。
美味しくも不味くもない。
「ねえちゃん食べる?」
「いらない」
ねえちゃんはノーと言える日本人。
「ナナコは?」
「いや、いいです」
ナナコもノーと言える日本人だった。
今日は店番はないというので、ナナコもうちに遊びに来ていた。
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