過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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294:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:29:26.81 ID:ilA7zgD60
 セミの鳴き声が二種類に分かれてきたころ、ナナコがやってきた。

「今日も暑いですね」

 歩いてくるとやっぱり暑いらしい。

 扇風機の風を今日にしてナナコに向けると、ありがたそうに髪をなびかせた。

「店番は?」

 ねえちゃんが尋ねる。

「明日からは私です」

 なら、今日まではナナコ弟が店番か。

「弟、何歳だっけ?」

「あー、えっと、中二?」

 とっさに年齢が思い浮かばなかったらしい。ナナコは学年を答えた。
 まあ、たしかに、学生のうちは、年齢より学年の方がわかりやすいのかもしれない。

 そういえば、この夏休みで、ねえちゃんとナナコが随分と仲良くなった気がする。俺から見てると。

 イチはともかく、元は知り合いではなかったのに、今はふと目をやると、一緒に歩いていたり、話していたりすることが多い。

 というかほとんど。
 私服のナナコは、ねえちゃんと一緒にいるイメージしかない。

 なんというか、ちょっと嬉しかった。

 日が昇ってくると、さっきまであった涼しい風が、だんだんと温まってきているような気がしたので、窓を閉めてエアコンにした。
 ハルと俺は勉強してるし。



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