過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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309: ◆1HYehGkP635v[saga]
2016/08/29(月) 00:51:38.78 ID:hWTEXAWe0
 そのあとの夏休みは、あっという間に、と言うほどでもなく、そこそこの早さで、淡々と終わっていった。

 いつも通り、みんなで集まって、だらだらしたり、騒いだり。

 たまにイチと二人きりになることがあったけど、だからと言って何か変わった話をするわけでもないし、何をするわけでもない。

 改めて「付き合ってます」と言うのは気恥ずかしかったので、
 晴れた日の、昼ごはんの時にそれとなく報告したら、みんなそれほど驚きはしなかった。

 なーちゃんは珍しく驚いていたけど。

 一度、観たい映画があったので、夏休みのうちに、二人で出かけたことがあった。

 その時イチが、人がいないところでは手を繋ぎたい、と言ったので、
 俺たちは緊張と恥ずかしさが混ざったような気持ちになりながらも、
 二人で手を繋いで歩いた。

 映画は普通に面白かった。

 いつだか、課外が終わった後、帰りに生徒会室に寄った。

 礼儀として、コヨミちゃんに報告しておく。

 コヨミちゃんは、最後まで話を聞き終わると、「おめでとうございます、私のお陰ですね!」と言って、プリントの印刷をしに事務室に行ってしまった。

 会長と二人になる。

「先越されたなぁ」

 彼は困ったように笑ってたけど、それでも嬉しそうにしていてくれたので、
 俺もこの人がちゃんと部長に想いを伝えられたら、絶対に全力で祝福しようと思った。

 ……チヨのこともあるし、もしその時が来ればどうなるかは、まだわからないけど。

 会長が部長に想いを伝えるのは、また別の話。


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