86:名無しNIPPER
2016/08/19(金) 20:22:10.07 ID:F+nlZ94w0
「先輩は、清掃部でしたよね?」
「うん」
「清掃部って、夏休みも何かするんですか?」
「あー、今のところは、合宿……くらいかな?」
「え、合宿ですか」
清掃部が? ……とでも言いたげな表情。
合宿、なのだろうか、あの場合。
まあ、部活動で泊まりがけをするんだから、合宿と言えないこともないだろうけど……部長の祖母の家を掃除するだけだから、部活動とも言い難い。
「……まあ、合宿じゃないとも言える」
「なんですかそれ」
クスクスと、コヨミちゃんは笑いながら、缶ジュースの飲み口を口元に当てた。
俺もジュースを一口飲む。うん、ぬるい。
夏は冷たいジュースを買ってもすぐぬるくなるからいけない。ずっと冷たいままで保っておける缶でもあればいいのに。
いや、いっそ、作るか。それで会社を起こす。お金入る。モテる。よし、そうしよう。
……暑いと、夢の中と大して変わらないようなことを考えてしまう。
わんわんと響く蝉の声が、俺を嗤っているように聞こえた。
たまに、頭の中を誰かに覗かれてないか不安になること、あるよね。
……俺だけじゃないよね?
「あ、ところで先輩」
コヨミちゃんが、缶ジュースから口を離して、缶をベンチに置いた。
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