5:名無しNIPPER[saga]
2016/08/21(日) 23:20:17.04 ID:IIJt6e4C0
「こっちでも、合宿、企画しようか」
そんな声を、Pさんの胸の中で聞きました。言葉の振動が伝わってきて、本当にPさんに包まれているみたいでした。
「わあ、いいですね、それっ!」
私はがばっと起き上がって賛成しました、けど。
「そういえば合宿って」
「うん」
「どんなことするんですかっ?」
座ったままPさんがずっこけたような気がしました。
「ええと、そうだな……」
Pさんの答えに集中します。
「バスで山奥か海沿いの合宿所だかまで行って、吐くぐらい走って筋トレして、飯ごうでべちゃべちゃの米炊いてうすいカレー作って虫満載のトイレでおっかなびっくり肝試しして徹夜して好きな人の言い合いするんだって意気込みながらヘトヘトだからすぐ眠くなって」
それ……楽しいんですか……っ?
そんな私の表情を見て、Pさんは笑いました。
「みんなといっしょなら、それが全部いい思い出になるくらい楽しいんだよ」
想像しました。
「…………っ!」
そんな気がしました。
「やっぱり、やりましょうよ、合宿っ!」
「そうだな、それじゃ、計画してみるか」
みんなでする合宿。
それはとても、楽しそうでした……でも。
「その合宿……Pさんは、来ますかっ」
「うん……? 少なくとも顔出しくらいは、しようと思うけど」
それを聞いて私は、もういっかい、Pさんの胸の中に潜り込みました。
ぴったり、Pさんのカラダに、吸い付きました。こういうときだけ、細身のカラダが、うれしいんだ。
「それじゃ……Pさんを独り占めできるのは、いまだけですね……っ」
私は、Pさんの言ってくれた合宿の例にのっとって、言いました。
私の好きな人は。
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