過去ログ - 困り顔のモリィ
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4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/08/21(日) 23:39:04.63 ID:Aj1Xs5gP0
 ただし、意欲があればと注釈をつける必要はある。残念ながら現在、わたしの意欲は墜落寸前。こればかりは人間の問題である。どれだけ理想的な環境を用意しても、人間側に意欲がなければ宝の持ち腐れに陥る。

 しかし、考えてもやる気はでない。暇なものは暇なので。

 わたしは身体を起こして、

「モリィなら意味のない文章、書ける……」

 人工知能にこんな質問をするわたしの思考回路こそ、意味のない代物なのかもしれない。シングルベッドほどある白いシリコンテーブル中央に、デフォルメされた猫のホログラムが現れる。

 猫はこちらを向いて、姿勢よく正座した。柄は三毛で尻尾は長め。そして表情はいつもの困り顔。モリィはこの不思議な猫を愛着があるらしい。

「『意味のない文章』を定義してください」

 モリィは、当然ながら真面目な声音で応えてくれた。女の子特有の高音で透明感のある幼い声は、デフォルメされた猫によく似合う。

 だからこそ、わたしは申し訳ない気持ちになる。人間相手なら一笑に付されてしまう話題だ。こうも真面目に返されてしまうと、幼い子供を無理やり付き合わせている気がしてしまう。

 わたしとしては笑いながら一緒に考えてくれる程度でいいのだが、人間は相手にしてくれないし、人工知能は真面目に考え過ぎてしまう。人工知能と人間の中間が欲しいところだ。


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