8: ◆K5gei8GTyk[sage saga]
2016/08/22(月) 21:20:31.16 ID:Bte9AddR0
彼は一度、深く息を吸うと、吸った分と同じだけ深く煙を吐き出した。
続けざまにもう一度煙草を咥え、同じように紫煙を吐き出す。
幸福そうに煙草を呑む彼を尻目に、わたしは奇妙な気分に陥る。
そのまま彼が喫煙するさまを見つめていると、彼と視線がぶつかった。
気まずさから目を逸らしたわたしに、彼は言葉を投げかけてくる。
「煙草、吸われないんですか?」
わたし達は喫煙室にいるのだから、その疑問は至極当然のものだった。
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