過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:47:22.15 ID:Yu37ZZYbO
部屋の中には大きなテーブルが置いてあって、真ん中にはレースのテーブルクロスがひかれていた。
ぼくたちはばいきん仙人が座ったそばの椅子に腰かける。
ぼくたちがなにか言う前に、ばいきん仙人が話し出した。
「さて、お前さんらが探してるのは理の本なんじゃろ?」
「は、はい!なぜ知ってるんですか?」
「ワシをみくびるでない。このぐらいとっくにお見通しじゃ。
そして、この本を使ってなにをしたいのかもな」
なんとばいきん仙人は分厚い本を取り出して、無造作にテーブルの上に置いた。
この古びた本が、理の本なんだろうか。
簡単に手の届く範囲にあるのが信じられなくて、ぼくはばいきん仙人の顔を見た。
ばいきん仙人は、めんどくさそうな顔をして、理の本を指先でいじっている。
この本さえあれば、ばいきんまんは生き返るんだろう。
説明はいらないみたいなので、ぼくはばいきん仙人に頼み込んだ。
「ぼくたちにその本を貸して貰えませんか」
「まぁ、それはいいんじゃよ?お主なら使い方もわからんじゃろうし、貸すだけならぜーんぜん構わん。
けど、それじゃあお主は不満なんじゃろうな」
「私たちはばいきんまんを生き返らせに来たんですね〜。
それが叶わないなら、そんな本なんの価値もないですホラー」
「ほう、価値がないか」
「もったいつけないで方法を教えて下さいよ。
どうすればいいんですかね?」
「その前に聞かなきゃいけないことがあるんじゃ。
アンパンマン、この世界の異変、すなわちばいきんまんが死んだのは、なにが原因か分かるか?」
「それは……理が歪んでしまったからだと聞きました」
「まー、あってるの。じゃあ、なぜ理が歪んだか、その原因は分かるかな?」
「それは……分かりません」
「本当に分からないのか?ならお前には生き返らせるのは無理じゃな。
帰るがいい」
「そんな!」
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