過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 16:44:43.16 ID:Yu37ZZYbO
動いただけで大きな音をたてる扉は、なにか大変なものが出てくる予感をさせる。
中にいるのが本当に巨人だったらどうしよう。
わけを話したら分かってくれるだろうか。
そんなことを考えながら緊張していたぼくは、中に立っていた人の姿を見て驚いた。
その姿は想像したよりはるかに小さく、ぼくたちに襲いかかろうともしていなくて、ばいきん仙人そっくりに見えた。
「あら?ばいきん仙人様?」
「おや、これは珍しい客が来たわい」
ぼくが見た人は本当にばいきん仙人だったみたいで、ぼくはまたびっくりしてしまった。
ばいきん仙人はぼくたちに中に入るように促した。
まだドキドキしているぼくは、どうでもいいことを言ってしまう。
「あの……扉すごい音たててごめんなさい」
「いやー?あれはワシが魔法をかけたんじゃよ。
ああでもしないと、気づかんからの」
「耳が遠くなったんですか?お年寄りは大変ですね〜」
「ふん、お主に言われたくはないわい」
ばいきん仙人は、白い小さな雲に乗っていて、そのまま城の中を移動した。
ぼくたちはそのあとについて中へ入ったけど、中もやっぱりすごかった。
正面の白い大きな階段には金の飾りがついていて、なめらかな曲線を描いている。
高い天井にはシャンデリアがぶら下がっているし、床には赤いじゅうたんがしかれている。
ホラーマンはその様子を見て、からかうように言った。
「こんなに立派なお城なのに、家具が全然ないですホラー。
なんだかもったいないですね〜」
「ここは別荘なんじゃよ。普段はなかなか来んからガラガラなんじゃ」
ばいきん仙人はなんとも思っていないようで、ぼくたちを奥の部屋に通した。
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