過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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85:オータ ◆aTPuZgTcsQ[sage]
2016/08/23(火) 17:12:37.62 ID:Yu37ZZYbO

「ち、違うよ?ぼくは病気にはなってないよ」

「じゃあ、なんで倒れたんですか?おかしいですよね」

「それは……」

「さっきあんなにこっぱずかしいこと言ったのに、倒れた理由は言えねーのかよ。
おかしいぜ!」

「アンパンマン病気なの!?そんなのやだよー!」

「アンアーン!?」

「アンパンマン……本当なの?病気って……!」

「バタコさん、違います。ぼく本当に病気じゃないんです」

「じゃあ、なにがあったのか、話してくれるかい?」


ジャムおじさんの一言に、パン工場はぼくの次の言葉を待って、シーンと静まり返った。
ぼくはゆっくり呼吸を整えて、みんなに話した。


「信じてもらえるか分からないんですけど……ぼく、旅をしてたんです。
ばいきんまんを生き返らせるために」


ざわつくパン工場の中で、ジャムおじさんだけは静かに聞いてくれた。
ぼくは、さらに時間をさかのぼって、みんなに話し始める。


「坂道でヤギおじさんの荷車を押して、ヤギおじさんを見送ったぐらいの時です。
メロンパンナちゃんがぼくのところへ飛んできて……」


ぼくは静かに話し続けた。
すると、パン工場も水を打ったように静かになり、みんながぼくの話に聞き入っていた。
ぼくは一生懸命に話した。
ぼくが間違いに気がついて、愛に気がつくまでの話を。


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