過去ログ - アンパンマン「ばいきんまんはもういない」
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オータ
◆aTPuZgTcsQ
[sage]
2016/08/23(火) 17:17:00.26 ID:Yu37ZZYbO
「ごめんね、アンパンマン。今日のアンパンマン、ばいきんまんにまで抱きつくから、ビックリしちゃって。
なんかの病気で具合が悪いから、不安でみんなに抱きつくのかと思ったの」
「ちょっと待てよ、ばいきんまんに抱きついたのか!?」
「もう、カレーパンマンは静かにしててっ。
私が話してるのっ」
「あー、ごめん」
「それでね、アンパンマン……。
私のこと愛してくれてるって言ったけど、私はまだよく分からない。
お姉ちゃんのことも、アンパンマンのことも同じくらい好きで、とっても大好きって思うけど、それだけじゃないんだよね」
メロンパンナちゃんはにこっと笑って、ぼくの顔を見た。
「私ね、アンパンマンってやっぱりすごいと思う。
今までみんなにいっぱい愛をあげてきて、でも自分は辛かったのに、それでもいっぱいあげてきて。
だから、アンパンマンにはもっとワガママ言ってほしいの!
私いっぱい頑張って、アンパンマンの願いをいっぱい叶えてあげたい。
そう思ったの。それが愛なのか分からないけど、私は出来るだけ頑張るから!」
メロンパンナちゃんの話を聞いて、みんなはうんうんと頷いた。
「お前のわけわかんないポエムより、メロンパンナちゃんの話の方が全然ぐっとくるな」
「残念ですが、今回だけはあなたの言うとおりです。
メロンパンナちゃんは、将来立派な大人になるでしょうね」
「そうかな。もしなれるんなら、ロールパンナおねえちゃんや、アンパンマンみたいになりたいの!」
「メロンパンナちゃん……ありがとう!」
ぼくは、ぼくの手の上に乗った重みや、温かさがとても尊いものに感じた。
これは夢じゃない。ぼくは一人じゃないんだ。
やっとそう思えてきた時に、パン工場のドアがノックされる。
すると、ぼくたちは急に恥ずかしくなって、笑いあって手をほどいた。
メロンパンナちゃんが真っ先に、扉の方へ向かい、ドアを開く。
すると、メロンパンナちゃんは嬉しそうに歓声をあげた。
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