過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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17: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:49:59.74 ID:J1uwhgey0
一九〇〇。太平洋上。
月と星空が微かに照らす海上を、空母機動部隊は南鳥島へとひた走る。
赤城「最初の増援を断られてるのに、いきなりなにも言わずに送っても大丈夫でしょうか?」
加賀「隊員達には、もし断られそうになったら格納庫はいらないから置かせてくれって懇願するように言ってあります。情で訴えていくしかありませんからね」
時雨「いくら最初の増援を断ったからって、わざわざ来てくれた人達を無下にするとは思えないよ・・・」
時雨が二人の心配を煽るような発言に呆れたように言う。
しかし心配を煽るような発言をするのは空母だけではなかった。
村雨「それにしても、敵の影すら見えないじゃない。てっきり提督のあの言葉が引き金になって道中逃走し続けるのを想像してたのに」
白露「まだ一回も音波打ってないから、ただ私達が気づいてなかっただけだったりして」
時雨「こ、怖いこと言わないで!」
提督が脅威は潜水艦のみと言っていたため、主な警戒行動としては聴音機に耳を傾ける事だけだ。
その聴音機も、今は全速で走り続けている為、推進音と機関音であまり役に立たないが。
赤城「そうね、じゃあ白露さん。申し訳ないですけど、打ってもらえますか?」
白露「わかりました。じゃあ打っちゃいます」
全速から少し速度を緩めて、白露が一回、二回、三回と間隔を空けて音波を放った。
打ったばかりの本人は何が良いのか実に愉しげだった。
白露「・・・ぜ、全艦、対潜戦闘用意!」
その愉しさも帰ってきた音波の結果を見るや一瞬で消し飛ぶ。
暗闇なのでわからないが、声音からして白露の顔が蒼白になっているだろうことはその場の全員が察した。
夕立「日中は全然レーダーに反応なかったし、多分本部には伝わってない、ぽい」
村雨「初めてぽいが実用的な意味を持ったわね」
白露「後方400、1-4-2・2-1-1、潜水艦らしき影、二!」
直ちに駆逐艦が単横陣をとり、空母がその前に並ぶ。間隙を縫って狙われないように空母二隻が之の字運動を開始する。
斯くして本作戦最初の戦闘の火蓋が切って落とされたのである。
同時にそれは、今までもどうにかなってきたという経験が、慢心として戦場に顔を出したと皆が気づいた瞬間でもあった。
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