過去ログ - 提督「傑作だなぁオイ。笑えるぜ」
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19: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/08/26(金) 20:51:25.77 ID:J1uwhgey0
飛んで火に入る夏の虫。

その虫は空母機動部隊。

このままいれば壊滅必至の状況で、活路を見出だすにはどうするか。

火傷を覚悟で迫り来る火の手の一角に飛び込むしかない。

おそらく前方にもっとも潜水艦が集中している可能性が高いから、違うところへ抜けなければ。

ここで選択を誤れば、作戦進行に支障を来すのは間違いない。しかし確かにここで逃げられれば勝ちだが、そうなったら後から来る補給艦隊はどうなる。赤城の脳裏を嫌な予感が過る。

白露達が空母を守るように輪形陣をとり転針を完了し、敵の包囲網の一角に猛然と突っ込み始めた刹那、周囲に集まった潜水艦隊が一斉に魚雷を発射した。


遡上。一六〇〇。

提督が潜水艦の脅威を大幅に過小評価していたと気づくのはその三時間前。既に空母機動部隊が無線封鎖海域に入った後だった。

提督が全力で通信基地へ駆け抜け、ドアを蹴り開ける。

驚く通信士達を横目に、強張る手で補給艦隊に割り当てていた周波数に摘まみを合わせた。

提督「五月雨、聞こえるか」

名乗りすら上げずに五月雨を呼ぶ。

五月雨「間もなく無線封鎖域に入りますから、手短にお願いします」

すぐに五月雨の声が聞こえた。

提督「その海域にいる潜水艦、嫌な予感がする」

五月雨「嫌な予感、ですか?」

提督「群狼作戦、五月雨は知ってるか」

五月雨「それぐらいは知ってます」

提督「脅威が潜水艦しかいないなら、奴らは潜水艦だけで最大限の迎撃を仕掛けてくるはずだ」

何でもっと早くこれに気づけなかったんだ、と小さな声で提督が自分を罵る。

提督「1隻でも潜水艦を見つけたらすぐに沈めろ。連絡の隙を絶対に与えるな。さっきは命令しなかったが、定期的に音響装置を使うのを絶対に忘れないようにしろ」

五月雨「提督、もしそうなら先に行った機動部隊の皆さんが「あぁ、まずい」

提督「これ以上ないぐらいに非常にまずい。あいつらなら大丈夫と信じたいが・・・」

五月雨「救援に向かいますか」

提督「行っても混乱を招くだけだ。空母の通過で空いた包囲網ももう閉じられているはずだから、もし今いけば「蛾の火に赴くが如し、ですか」

五月雨「ですが、赤城さん達を放っておくわけにはいきません」

提督「赤城が指揮する艦隊なら逃げおおせてみせてくれるさ。俺がお前らに頼みたいのは「潜水艦の撃滅ですね」

五月雨「わかりました。厳重警戒の上、全艦撃破します


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