2: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:14:52.70 ID:jlTQKgbuo
夕暮れの中、事務所の前の信号を待っていると、ふと、それに意味があるのかと思ってしまう。
こっちがルールを守っていたって、相手が破ってしまえばそれまでだと。
3:名無しNIPPER[sage]
2016/08/27(土) 00:15:30.04 ID:jlTQKgbuo
「みーりあちゃん！」
不意に後ろから抱きつかれた。
4: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:17:05.04 ID:jlTQKgbuo
「いやー、見つけちゃったから☆」
「もう。酔った時のきらりさんじゃないんだから」
5: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:19:17.08 ID:jlTQKgbuo
横断歩道を渡りながら、ふと、いつから彼女の事を「きらりちゃん」と呼ばなくなったのかと思う。
彼女だけじゃなく、いつの頃から年上の人を「ちゃん」付けで呼ぶのをやめるようになっている。例外は莉嘉ちゃんだけだ。
6: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:20:07.05 ID:jlTQKgbuo
「みりあちゃん、はい、これ！」
仕事から帰ると、きらりさんから謎の包みを貰った。
7: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:20:47.39 ID:jlTQKgbuo
促されて包装を解くと、いつも誕生日に貰っているPikaPikaPoPの新作ではなく、少しばかりフォーマルな服。
「ハタチのお祝いだから、いつものハピハピな服じゃなくて、こういうのもいいかなぁーって。杏ちゃんとも相談してね」
8: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:21:15.12 ID:jlTQKgbuo
9: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:21:59.84 ID:jlTQKgbuo
14歳になった頃、私はアイドルであるという夢から醒めつつあった。
その頃の仕事に不満を持っていたという訳でもなく、大切なのは分かっていた。楽しかったとさえ言える。
10: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:22:53.74 ID:jlTQKgbuo
結論を言えば、結局私はアイドルを辞めることはなく、
高校生以上のオトナである、20歳を迎えようとする今の今まで続けている。
11: ◆nXz9...NGs[saga]
2016/08/27(土) 00:24:16.70 ID:jlTQKgbuo
『みりあちゃん。アイドル、辞めたいの？』
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