2:名無しNIPPER[saga]
2016/08/27(土) 21:18:32.33 ID:NU0BR5gro
「自分で言うのも何だが……俺たち、これでもかと愛情を注いできたよな」
「だって可愛いんだもの」
「そこには全面的に同意するんだが」
気難しそうな美男子といって差し支え無い父。
輝く銀髪の美しい、どこか無邪気な母。
二人は並んで日向ぼっこをしている。
「蘭子を見てくれ」
「可愛いわね」
「ああ。もはやただの天使だ」
蘭子が庭の一角に生えるクローバーの元にしゃがみ込んだ。
小さな両手と愛らしい瞳をくるくる回し、四つ葉を探し求めている。
「いつの間にかあの娘も小学生になる」
「早いわねぇ」
「あのままじゃ蘭子の身が危ない。最悪誘拐されかねん」
腕を組んだ父が深刻そうな表情で呟く。
今日も元気な雀たちが囀り始め、庭には蝶が飛び交っていた。
432Res/238.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。