332:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 18:57:31.78 ID:ckQ0GSngo
「蘭子。アイドルは楽しいだろう」
「うん」
「誰にも口外しないと誓えるかい」
「当たり前でしょ」
「ボクも、アイドルを心から楽しんでいた。いつまでもアイドルで在りかったんだ」
室外機の裏に隠されていたギターケースを持ち上げる。
左肩に背負った長方形を揺らし、飛鳥はいつものニヒルな笑みを浮かべた。
「正直言って、李衣菜よりボクの方がとっくに巧くてね」
「……無垢なる反抗者」
(李衣菜ちゃん……)
「ボクは、歌を創りたい」
飛鳥の短い呟きに、蘭子が頷いた。
オトナもセカイも関係無い、二人だけのホントウのコトバだった。
「それがボクの気付いたモノだ。そして――何よりも、時間が惜しい」
照明が続々と灯り出し、二人の影を夜から切り離していく。
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