344:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:34:19.30 ID:ckQ0GSngo
「すみません、ラフロイグの水割りを。蘭子ちゃんは……」
「……闇夜の口付けを」
(キス・イン・ザ・ダーク……)
「かしこまりました」
「さては、速水さんに教わりましたね?」
「……だめ?」
「まさか。お祝いの席です、お好きなように」
壮年のバーマンが軽快にシェイカーを鳴らす。
間近で行われるパフォーマンスに、蘭子は目を釘付けにしていた。
「実を言うとここには皆さんを連れて来ているんです」
「みんな?」
「私が声を掛けさせて頂いた方々を。蘭子ちゃんと飲める日を、心待ちにしていました」
正面のボトルキーパー。その天井近くを指差し、釣られて上を向く。
ひっそりと飾られた色紙に、見慣れた名前が並んでいた。
「闇夜の口付けと――我らが城へ、魔王の名を戴く許しを」
(キス・イン・ザ・ダークです――よろしければ神崎様も、是非)
魔王軍の僕たるバーマンは、茶目っ気たっぷりにウィンクをしてみせた。
432Res/238.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。