346:名無しNIPPER[saga]
2016/12/24(土) 21:47:57.11 ID:ckQ0GSngo
「ええ。ですから、ここだけの話と」
彼が薬指のリングを撫でる。
鷹富士茄子もまた舞台を去り、新たな道を手に入れた一人だった。
「内緒ですよ、蘭子ちゃん」
「ふむ……さて、悪魔の言葉は気まぐれ故」
(ふふ……どうしよっかなー)
「可愛い女の子と飲んでいたなんてバレたら、ただでさえ茄子が頬を膨らませるんですから」
「でも、そんな顔も可愛いんでしょ?」
「…………まぁ」
「下僕よ。我が手に血も凍る苦杯を」
(すみません、強めのをください)
「すぐに」
薬指を叩き、彼が咳払いを繰り返す。
達磨らしく色付いてきた頬も叩き、カサブランカを空にした。
「話を戻しましょう。蘭子ちゃんも、色々と悩む事があるかとは思います」
「……うむ」
「悩む事は、悪い事ではありません。特に、貴女のような若きには」
蘭子の脳裏で、白塗りの杖がこつこつと鳴った。
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